Sweet*Princess

2*彼女の幸せ




ゴクリ……



明るいネオンの下で、生唾を飲み込む。


未成年だし、しかも制服……


勢いで来たのはいいけど、入れるわけないよね。


私、バカじゃん……



それに、チラチラと周りの目が痛い。


やだ……っ



怖くなって、走り出そうとした時



「咲華さん!」


聞いたことのある声


聞いたことのある名前



また頭が警報を鳴らす


『見てはいけない』と


でも、身体が言うことを聞かない……



声がしたほうを見ると



「あ…」


見慣れた明るい色の髪


スラッと伸びた手足



「雅斗さ…」


そして雅斗さんが手を差し出す


その手に自分の手を重ねる女性



「いらっしゃいませ、咲華さん」


あの人が


あの綺麗な人が



「相変わらず、あなたは壱斗に似てるわ」


咲華さんは雅斗さんの頬に手を添えて言った。


「違うよ、咲華さん。壱斗が俺に似てるんだ。それに、……咲華さんの目からはすべての男が壱斗に見えるんだ」



やめて


やめてよ…



「そうなのかもしれないわ」



そんなこと言わないで


二人が愛し合ってるように聞こえる


私の入る隙がないように思ってしまう


やめて……!!




その場に崩れ落ちそうになった時


綺麗な瞳がこちらを向いた


ゆっくり重なる視線



私は、動かない足を必死に動かして走り出した



*
< 185 / 231 >

この作品をシェア

pagetop