Sweet*Princess


「ん?お、美帆じゃん!」


「や!」



美帆っていうのは、私の親友。


可愛くて優しくて、すごくおもしろい。


私を、一番わかってくれる人…




「でさでさ、なーんで氷の王子様と登校?」


うッ…やっぱりそこ来るか……



「話せば長くなる…」


「昼休み?」


「うん、それがいい」


「じゃぁ、それで!」









━━━━昼休み。



「みんな私を見てるんだけど…すっごく居心地悪いよ…」


そう、授業中も今も、みんな私を盗み見。



壱斗の人気を改めて思い知るよ……



「氷の王子様は偉大だね……。で、どうして一緒に登校?」


「あの……、結婚、するんだ……」


「え?!結婚って?嘘?!」


「ほんと…」


「羨ましー……でもさ、あの人は?事故の時に抱き締めてくれた人」


「あー、もういいんだ」


“大切にする”って言ってくれた壱斗に、ついていく。


幸せになる自信がある。


あんなに優しい人だもの……



「そっか…あ、でも気つけなよ?ファンすごいから」


美帆と目を合わせて、思わず苦笑い。


そうなんだよ、それが一番不安なんだよ……



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