Sweet*Princess


「嘘!壱斗は優しいよ!あの女のせいで…」


「ほんと、マジふざけんじゃねーぞ?」



お前らが優しさだと思ってんのは全部、嘘だ。


興味がないからとりあえず優しくしとく。



俺が本気で優しくしたいと思うのは

















姫乃だけだ。




「今度姫乃になんかしたらさ、………マジ殺すよ?」



「壱、斗…」



前に立ってる女が泣き崩れる。



「ヒドイ!この娘、ほんとに壱斗が好きで…」



「興味ねぇ。てかさ、人の大事な女傷付けといて好きとか言える立場なわけ?」





…頭がおかしくなりそうだ。


別に、こいつをここまで傷付けたいわけじゃないのに。



こいつのせいで姫乃が傷付いたと思うと、やっぱり憎しみが込み上げてくる。




「……ごめん。俺もう行くわ」



泣いてる女からわざと目をそらして、俺は姫乃のところへ急いだ……


.
< 56 / 231 >

この作品をシェア

pagetop