私は男を見る目がないらしい。
「二人で近付けたらいいよねっ」
「わっ!?」
私は朔太郎の腕に自分の腕を絡めて、外に向かって歩き出す。
「……あー、もう。美桜のアホ。」
「はぁ!?何で、んんっ!?」
アホと言われた意味がわからなくて朔太郎を睨んだら、唇を塞がれた。
すぐに離れてくれたけど……「ここ、外なんだけど!」と再度睨むと、朔太郎がニヤリと悪い笑みを浮かべた。
「帰ったら覚悟しとけよ?」
「!!」
何がきっかけか全くわからなかったけど、朔太郎はいつもの調子が戻ったらしく、腹減ったー!とさくさく歩き始めた。
ヤキモチ妬いたり怒ったり機嫌が良くなったりと忙しい人だと思いつつ、私はそういうところが好きなんだなーと改めて思った。
今日の夕食は朔太郎が好きなカニクリームコロッケにしよう。