私は男を見る目がないらしい。
 

私は朔太郎の目をじっと見つめる。

朔太郎は私からどうにか逃げようと目を逸らす。

本当に、朔太郎って昔から嘘とか隠し事が苦手だ。

高校の時もデートをドタキャンした時の嘘が酷かったし。

あの時は少しつつけばポロリと真実が出てきたけど、今はどうだろうか?

とは言っても、まだ身体はだるいし、今はこれ以上戦う気力がないのが本当のところだ。

下手すると負けてしまう気もするし、一旦引こう。

私は目を一旦閉じ、朔太郎のことを見上げた。

……笑顔を貼り付けて。


「……わかった。本当に隠し事はないんだよね?」

「あ、あぁ。もちろん!あっ、飯、温めてくるな!」


私が引くと、朔太郎はほっとしたような笑顔を浮かべて、逃げるようにしてリビングの方に消えていった。

朔太郎が去った後、リビングから漏れてくる光を見つめ、私ははぁとため息をついた。

……今は逃がしてあげる。

でも私は、まだ諦めてない。

絶対に聞き出してやるんだから!

逃げられると思うなよ!

 
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