駅のホームとインディゴブルー
「そう」

「うん、そう。こんな人ですよ、っていうのが水穂くんから溢れ出てて、それをすきになったんだなーって思うの。だからね、知っていくたびにすきになるし、これから知っていく部分もきっとすきなの。もう多分全部すき」

「哲学っぽく語ってるけど結構すごいこと言ってくれちゃってるね」

「一目ぼれにもこういうタイプがあることを身を持って知りました。なので一辺倒に軽いとか、思わないようにしようと思います」

わたしは自信満々に水穂くんに目を合わせた。

自分はそんな、外見だけですぐすきになっちゃうような人ではないと思いたいだけなのかもしれない。

でも実感としてあるのだから仕方ない。

笑ったときにかすかに漏れる吐息混じりの声も。

意地悪そうな顔をしたときにできる片えくぼも。

帰り際にさっとマフラーを巻きなおすその仕草も。

全部がわたしを嬉しくさせる。

あしたもあさっても、すきだよ。

あなたにとってわたしも、そんな存在だといいのだけれど。

「そんなことよりお嬢さん、男は狼だという言葉は知っているかね」

「およ」

「ものすごく心臓バクバクしてて今すぐキスしたいんだけどどうしてくれるの」

「え、え!?」

「そんな部分見てもすきだって思えるの?」

「え、多分!…え!?」

でもそうやって焦ったように頬を赤くして目をそらすのも、すきだよ。



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飛鳥はしっかりしているようでところどころアホ(というか鈍感)だと思う。
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