月夜の黒猫


?「…あぁ。その子がストーカーにあってて、そこに転がってる人が犯人。無理心中しそうになったから眠らせた。んで、これ証拠ね。写真とボイスレコーダー、ナイフ。あとはその子がストーカー被害の証拠である写真を持ってるはず。」

空「(コクコク)」

?「とりあえずナツお願いしてもいい?」



?「…はぁ、りょーかい。ハルに連絡入れとく。んで、少年は一応取り調べに同行な?」


空「は、はぃ…」




現状について説明してくれた人は僕に同意を求めて話しを進めてくれた。













































?「…あ。ナツ?この子をナツ達の仲間にしない?確かこの子くらいの子いたよな?」


空「えっ…?」


?「…別にいいけど?てか、さく?コイツかたまってんぞ?」




僕が返事をすると、唐突に助けてくれた人が提案し始める。

それに付いて行けず僕は固まってしまう。








?「あ、すまん。とりあえず簡単に言うと一歩踏み出すなら今ってことだ。」


?「おいおいさく、いくら何でも説明が適当すぎだろ;…まぁ、なんだ?事情は詳しくわからんがあれだよあれ!困ってんなら頼れってことだ!自分一人でなんかいい案は浮かばない。その反面仲間はいいぜ〜?血は繋がってねぇけど家族みたいなもんだしな!」


空「…家族、?」




そんな僕にフォローをいれた二人は僕を見つめ、雰囲気を柔らかくして目を細めた。








?「そうだ、家族!泣きてぇ時は泣く!笑いてぇ時は笑う!喧嘩したらとことん向き合う!そうやって自分自身のありのままを曝け出せる。それがかけがえのない家族って奴だ。我儘言ってもいいんだよ。」



空「…っ」




そう言ってあとからきた人が微笑んだ。







?「…さぁどうする?無理強いはしない。決めるのは君自身だよ。」




そう言って助けてくれた人も少し微笑んだ。


僕はそんな二人の言葉に少し胸が苦しくなる。でもそれは決して嫌な感じじゃなくて、今まで感じたことのないモノだった。







空「…っ、グスッ…、ぼ、ぼく…強くもないし、人が苦手だけど、仲間に、家族になりたいっ…!ヒック、うー…、」







僕はそんな感情に戸惑いながらも、もう枯れたと思っていた涙を流した。流れた涙は凄く温かかった様な気がする。









?「…(コクン)」

?「…(コクン)」
ワシャワシャワシャ…


空「…!!」




始めての温かさに浸っていた僕の頭を大きな2つの手が力強く、それでも優しく撫でてくれた。

久しぶりのそれに僕は安心感と心地よさを感じて更に泣いてしまった。


しかしその人達はそんな僕を呆れることなくあやすようにしばらく撫で続けてくれた。




その時僕はその人達の寛大さに救われたんだ――…





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