恋物語。




―そう。


聡さんの言う通り…今日の私は眼鏡をしていない。だけどその代わり、コンタクトレンズをしている。
実は…学生時代には、コンタクトで過ごしていたこともあるから…今日は約数年振りだったりする。




「そ、それはそうかもだけど…でもだからって…っ」


俯き気味に言葉を発していると…不意に頬に触れた手。
それに驚いて、すぐさま彼を見上げた。



「あーるーの。俺がそう言ってるんだから…少しは危機感持ってよね?」



「……はい…」


彼が自信満々にそう言ってのけるから…
そう返事をする以外、答えはないと思った。



「よし…いい子。」



「っ…」


子供に言い聞かすように言うと彼の手が私の両手を包み込んだ。



「幸せになろう。…絶対。」



「…はい。」




…約一年前。


私は、あなたに出会って…大きく変わった。
誰かを好きになること、愛すること…

それを教えてくれたのは…間違いなく、あなたでした。
後にも先にも…私は、あなたしか好きになれないと思う。


それぐらい…心の中を占める“大切な人”になっているから。


私はこれからも…あなたのことを大切にしていきます。
いつまでも…あなたの傍で笑っていられますように…。




【END】



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