恋物語。
―それから数十分後。
あまり、というか…手際がいいとは全然言えないけれど…私なりに一生懸命頑張ってチャーハンを作り上げた。
ただでさえ得意ではないというのに…今日は聡さんがずーーっと料理をする私を見ているから余計に緊張したけれど…。
「……はい、どうぞ。」
ダイニングテーブルに2つのお皿を並べる。
「…いただきます。」
向かい側の椅子に座る聡さんはそう言ってスプーンを使いチャーハンを口へと運ぶ。
ドキドキドキドキ…
「どう、ですか…?」
彼の反応が気になりすぎて、また緊張する。
「うん。…美味しいよ」
ニコッと微笑む彼の表情に私は安堵した。
よ…よかったー…。
「…ふふ。めっちゃ安心してる、顔」
「へ…っ!?」
隠したつもりなのに…なぜかバレてしまい素っ頓狂な声が出てしまった。
な…何で聡さんには、いろいろバレちゃうのー…!?
「…それは超能力者だから。」
「え…?」
「嘘。知沙って、すごい分かりやすいから。顔に出てるよ?」
「///…っ」
いろいろズバズバと当てられた気がして恥ずかしくなる。
私って…そんなに分かりやすいの…?自分では全然分からないよー…っっ
「そんなことより、知沙も食べれば?」
聡さんはそう言うとフワッと笑った。
「……はい…」
私はそれに返事をしてチャーハンを食べ始めた――。