恋物語。




「んン…」



今まで彼から受けたキスの中で一番荒々しい。
けど…とてつもなく甘くて、とろけてしまいそう…。




「んっっ…」




だめ…。もう…何も考えられなくなる…。





ドサ…ッッ



思考回路停止寸前、強く押された感覚がした。




え…!?このまま、なんて…っっ




「さっ……聡さん…っっ」


私に覆いかぶさっていた彼の両腕を掴み力いっぱい彼を離した。



「何…?」



「ここは……嫌です…っ」


私にキスを強制終了させられたからか不機嫌そうに見える彼にそう言う。




こんなとこじゃあ…絶対に嫌なの…っ
あなたに…もう一度ちゃんと“抱かれる”なら…。




「じゃあ…どこがいいの?」



「っ…」



こんな不機嫌な顔にさえ、ドキッとしてしまう私は…何かおかしいのだろうか…。
それとも…何か中毒性の強い食べ物でも与えられてしまったのだろうか…?




「知沙…?言わないと分からないんだけど」



「っっ…」


まだ不機嫌な彼はそう言い顔をグッと近づけてきた。



「さ……聡さん、の…ベッド…っ」



「ふふ…了解。」



「っ…!!!」


私の答えに満足したのか彼は鼻で笑うと、私のおでこにキスを落とし私をお姫様抱っこした。
スリムに見えて、でも実は筋肉のある彼に抱き抱えられて…鼓動がより早くなるのを感じる。



「お、もくない…ですか…?」



「いや全然?知沙なんて余裕だよ。」


聡さんはそう言うと寝室の方へと歩き出した――。





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