汚れたラブレター

ギター

今日の天気は雨。
生徒のほとんどはずぶ濡れだ。
もちろん遥加もずぶ濡れ。
下着がスケスケだ。

「冷た…タオルあったかな?」
「ほい。」
「あ、昴!はよ〜♪」
「お前目立ってるぞ?」
「あ…スケスケだ!」
「はぁ…早く隠せ。」

男から見たら恥ずかしいのもあり嬉しいのもありだけども、
高谷は恥ずかしいのだ。

「これでいいな!」
「はぁ…お前制服どーすんの?」
「んー昴ジャージ貸して♪」
「上しかねーぞ?」
「スカートはそんな濡れてないから大丈夫だよ♪」
「あっそ。」

遥加は替えの制服を持っているのだが高谷の服が着たいからわざと貸してと言ったのだ。
やはり高谷の服は遥加よりかなり大きい。
ブカブカだ。

「なんか彼氏の服着てるみたいだね〜♪ブカブカだー!」
「教室行かないから、教師によろしくな♪」
「なんで?」
「ギターの練習だよ。」
「すごい!行ってもいい?」
「うん。」

高谷は親に隠れてバンドをしていたのだ。
パートはギター&ボーカル。
高谷は楽器もできて歌も歌える完璧に近い人だと遥加は思った。

「いい音色だね♪」
「自分で作ったり曲なんだ。」

高谷が弾いているのは
自分で作った曲の一つだ。
優しい音色の曲に遥加は
うっとりしていた。

「もう昼休みだね。」
「時間がたつのは早いなぁ〜。」

遥加は本当にそう思った。

『もう少し長くてもいいのに』

遥加はそう思った。
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