好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
信じろ
文化祭前日。
今日だけは授業がなくなって、一日中明日に向けて準備をする。
「いよいよ明日だねー」
結衣がニコニコしながら言う。
「そうだね」
あれから瀬戸とは話していない。
話す理由もないし、話しかける勇気もない。
ただ、結衣と瀬戸は順調のようで教室で仲良さそうに話してるのを見かける。
だから最近機嫌の良い結衣。
……これでよかったんだ。
そう思いながら結衣と接するあたし。
「じゃあ、そろそろお昼休憩にしよっか!」
リホの声に男子達がおー!と声を挙げる。
今日は外へ出るのもオッケーなので、どこに食べに行こうなんて話がチラホラ聞こえてくる。