紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「くすっ…、興奮しているの?これくらいで可愛いわねぇ」


「………」



ルキアさんの瞳が楽しげに私を見つめる。





その視線の先は…、


私の瞳---




きっと今、私の瞳は紅色に変わっているのかもしれない。


ううん、きっとそうだ。


だってかなり感情が高ぶっているのが、自分でも分かる。




…この人は変化した私の瞳を見ても驚かなかった。


もしかしてこの人は---


感じた同族の香りにあらためてルキアさんをジッと見る。




ボブスタイルのゆるふわな髪型で毛先は柔らかいコスメパーマ。


髪色は、ヌーディオリーブベージュ色---



艶やかな色気を醸し出し、小悪魔風な目元にプルンとした唇はどこか妖艶で魅惑的で…


男をたぶらかす事この上ない感じのこの美貌。



なんかムカつく---



でも…、


そんな美人なルキアさんを目の前にしても、蓮は特に気にする素振りもなさそうだ。




心の底でひっそりと、安堵する。



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