present～over25～

第９章

２月に入ってからｱﾀｼは中山さんの下について働いている。


前と何も変わらない関係に安心しながらも周りの目は結構厳しいものがあった。ｱﾀｼは自分でもなるべく距離をあけるようにしていたし、それに気づいているのか中山さんも必要以上にｱﾀｼと話すことはなかった。




「高崎、今日の会議出てみる？」


「えっ？ｱﾀｼなんか出ても何の役にも立たないし。。。」


「そんなのは気にしなくても大丈夫やから。笑

俺の横に座っててくれたらいいよ」



その言い回しに少し胸がときめいた自分がいた。優しい笑顔でｱﾀｼを包み込んでくれる中山さんの顔を見ながら思わず見とれてしまう。




昼からの会議に合わせ必要な資料を集めコピーを人数分取って中山さんの机の上に置きｱﾀｼは部署をでた。


「ようちゃ～ん」


「は～い」



部署が変わってからもお昼はようちゃんと一緒の事が多かった。今の部署でまだ馴染めてないｱﾀｼはなんとなくみんなに話かけづらい。



いつものように食堂の一番暖かいところを陣取りｱﾀｼは相変わらずのﾗﾝﾁを食べる。



「ようちゃん彼氏とどう？？」



「実は。。別れました。。笑」



すでに吹っ切れたような顔で話すようちゃんに少し安心しながら話の続きを聞いた。


「やっぱり浮気されてたみたいなんですよね。。。女の勘って当たりますよね」



「そっか～。でもようちゃんならすぐに素敵な彼氏できるって！」



もっと気のきいた事を言いたかったけどその言葉以外出てこなかった。



「ｱｽﾞさんは？？」



「彼氏と？」



「うまく行ってますか？？」


「う～ん普通かな。笑」



ここで笑顔でうまくいってるなんて言うのはあまりにも無神経だしようちゃんもそんな話は聞きたくないだろうと思った。



「明日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝですね～ｱﾀｼは今年は自分に買お～っと。笑

ｱｽﾞさんは手作り？？」



「まだ何も考えてない。笑」




本当に何も用意してないし考えてもなかった。ｱﾀｼは夜にｸﾗﾌﾞに行く事で頭がいっぱいで変な緊張をしていた。