ヤクザの家族になっちゃった!?



戻ると、予想以上に怒ってたおっちゃん。

でも、それ怒りの原因が

二人を探す労力を使ったことじゃなくて

心配で心配で仕方なかったことからきてたから

叱られながらも少し嬉しくなってた。

今まで、自分が叱る側だったから、

叱ってくれる人がいることが嬉しいって言うのと

本気で心配してくれて

叱ってくれてるっていうので。


叱られるのが嬉しいなんておかしいかもだけど

叱ってくれる人がいないことほど悲しいものはないもん。

最後に共犯の幸子を含め四人で皆に謝りに回った。


みんな、笑って許してくれた。

一部以外は…。


零夜さんは半泣きになってたし、

竜にはたっぷりとしかられた。

まぁ、愛されてるね。

なんて思いながら龍之介さんのいる、部屋に向かって歩いた。

「「「心配かけて、ごめんなさい」」」

三人が頭を下げてそう言うと

「あぁ。」

それだけいってくれた。

怒ってる表情じゃなかったから

許してくれたと思うけど…。

そう思い、三人を部屋から出す。

部屋の前では零夜さんが待機してて

お風呂につれていってくれた。

私は三人の寝間着を用意するため

おっちゃんに渡された鞄をあさった。

そんな私をじーっと見てくる龍之介さん。


「…どうしました?」

声をかけると

パッとそっぽ向かれてしまった。

むぅ

「なんでこっちみないんですか!」

そう言って龍之介さんの視線の先に回り込むと

耳を赤くしてる龍之介さん。

うぇ…?

そんな龍之介さんを見て

パッとフラッシュバックした場面。

そうだ、

急に色々あって忘れてたけど

私、龍之介さんと抱き合ったんだ…

思い出したとたん恥ずかしくなる。

赤い顔を隠すように下を向いてると

がチャリと扉があき、

奈美恵さんが迎えに来た。

着替えをもって奈美恵さんのもとへ駆け寄る。

奈美恵さんは一言も発さない私達を不思議に思ったのか

龍之介さんに一言

「中途半端にいずちゃんに手を出したら許さないよ?」

って。

かっこいいなぁ

なんて、奈美恵さんを見て思ったけど

龍之介さんの最後の言葉で

そんな感情は吹き飛ばされた。

「本気だ。安心しろ。」

何に対して本気なのかはわからないけど

ものすごく嬉しいって思えた。

いや、もう、

その時の真剣な表情で

嬉しいなんてとうに越えて

きゅんきゅんした。

ほんと、死にそうなくらい。

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