ヤクザの家族になっちゃった!?



しばらくすると外が急に騒がしくなった


怯える三人を抱え込むように抱き締める。


そんな私に背を向けるように

龍之介さんは扉を睨み付けた。


ガタガタガタ

鍵をかけた扉が揺れたと同時に私たちのからだがビクッと揺れる。


ヤバイ

殺される…


そんなことを考えている合間に

ガチャッ

鍵があいた音がした。

ヤバイヤバイヤバイー…


怖くなって三人と一緒に下を向く。


部屋の中に風か通った。

開けられた。

もう、死ぬことを覚悟しよう。

そう、心に言い聞かせる。

なのに、

「おいこら!」

そんな間抜けな声が部屋中に響いた。

「ー…は?」

意味がわからなくなり

そう声をあげて扉の方を見る。


そこにたってたのは


おっちゃんでもなく、

竜だった。


「ーーっ!!竜!!!」


私がそう叫びながら竜に抱きつく。

よかった、

無事で。

そう、呟きながら。

そんな私達をみてなのか

舌打ちした龍之介さん。

マジックテープみたいに

べりっとはがされた。

そんなこと、一切気にせず

「怪我してないよね?」

そう言ってまた、体をさわって確認する。


「あぁ、平気…「じゃないじゃん!血が出てるよ!ほらちゃんと絆創膏しないと!あ、その前に消毒…はい!救急セット!」


安心しすぎてか、

私の根性がすさまじいのか、

よくわからないけどこの状況でマシンガントークをできる私は相当すごいやつだ。


そのマシンガントークに驚いたようで

龍之介さんも竜も、

こうたちすら言葉を失ってる。


その沈黙を破ったのはこう。

「僕もね、ここ。」

そう言って手を開いてみせてくる。

今まで気づかなかったけど

皮がむけて、擦りむいてるような感じ。

「こけたの?」

「ううん、転んだの。」

「そっかぁ…。いたいのいたいの飛んでけー!」

そう言って消毒をする。

「「飛んでけー!」」

そう、二人の可愛い魔女さんの呪文もいただき

絆創膏をした。

「二人は怪我してない?」

そう聞くと

笑顔でうん!と。

もう、怯えた表情が消えたようで安心した。


「龍之介さんも、怪我してないですか?」

そう聞くと

「あ、あぁ。」

と。

みんな大事にならなくて済んでよかった。

そう安心するけど

あ、みんなかどうかはわからないのか。

「ねぇ、竜。みんなは?」

そう、問いかける。
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