ヤクザの家族になっちゃった!?
第三章 揺れる心と覚悟


保健室につくと、私は扉の前で息を整え、

心を落ち着かせるため、深呼吸をした。


ガラッ

失礼します。

と声をかける前に

ギシギシと音が聞こえた。


…え。

静かに扉をしめる。

シーンと静まった保健室に声が響いた


「んんっ…ぁあっ
や、そんな、ぁっ…」



…ここではやれないって大河いってたじゃん。

なんでこの人たちはやってるんだ

なんて心のなかで突っ込みながら

私は方向転換して部屋を出ようとした。

のに…

「やぁ、りゅぅ、はげしっ…」

……りゅう?

聞き覚えのある名前。

私は一瞬体がとまる。


「っつ!やべぇ、いきそっ」

…聞いたことのある声。

ずっと昔から聞いてたんだ。

間違えるはずはない。

竜の声だ。

私は龍之介さんでないことを安心しつつも、

またやってんのか…と呆れながら扉に手をかけた。

でも次の瞬間、そんな安心も呆れも吹き飛んだ。

「あっわたしもぉっ!!」

「っく!るりっっ!!!」


…え?

るり?

今、るりっていった?

…ううん。

きっと違うよね。

るりっていっても珍しいけど一人じゃないし。

きっと他のひとだよ。

私はそう考えてたのに…

「ねぇ、竜。これで何回目だっけ?」

そう言った声は確かに


私の幼馴染みの女の子の声だったー…


< 81 / 257 >

この作品をシェア

pagetop