ヤクザの家族になっちゃった!?


やっとこの一件が解決した…って思ってたら、

すごく大事なことを忘れてることに気づいた。


龍之介さんのこと、聞いてない。

でも、少し悩んでることがある。

私も中田さんみたいに、

本人の口から聞きたい。

って思ってるから。

でも、もし、

もしだけど、

付き合ってた何て言われたとき、

私はそこで泣き崩れてしまうかもしれない。


ここまでわかってて

自分の気持ちがわからないなんていってられない。


私は、龍之介さんが好きなんだ。

家族としてでなく、

一人の男の人として。

私は彼に恋をしてる。

でも、きっと彼は、

私のこと、なんとも思ってないと思う。

今日の一件で少し思った。

彼がいった俺の女ってゆうのは、

俺の彼女ってことじゃなくて、

俺の遊び相手…なんじゃないかって。


それがわかっててもやっぱり、

気になってしまう。

龍之介さんが、誰に恋をしてるのか。

…してたでもいい。

教えてほしい。

知りたい。

彼のことをすべて知りたい。

そう思っちゃう私は、すごく欲張りなんだよね。

…やっぱり、龍之介さんに迷惑がかかるかもしれない。

奈美恵さんに聞こうか…。

私が悩んでると、

後ろから竜に声をかけられた。

竜は私に着いてこいというので、

私は竜の後ろについていった。

ついたのはたぶん中庭。

お花がいっぱいある。

私は竜に声をかけた。


「竜?

なにか用があるの??」

「お前さ、今好きなやついるだろ」

直球に言われて少し戸惑ったけど、

うん。

と素直に返事をした。

竜はそうか。

と切なそうに呟いてから、

「相手は、草薙…だよな?」

そう、当てられてしまった、

なんで、わかったんだろ、

なんて思いながらも、静かにうなずく。

すると、竜は悲しそうな顔をして笑った。

でも、そんな表情とは裏腹に優しい声を出して

「いつでも相談しろよ?」

そう言った彼に胸が痛んだ。

きっと、竜もなにかあったんだね。

そうは思うものの、聞いていいのかわからず、聞かないでいたら、

「…なんか、相談したそうな顔だな?」

なんて、苦笑いして言ってきた。

うん。

したいよ。

けど、竜は…平気なの?

って思ったけど、

何かあったことに気づかないでくれって顔をしてた気がしたので、

なにも聞かず、龍之介さんのことを相談した。

竜は真剣に話を聞いてから

少し間をおいて答えてくれた。

「…そいつにちゃんと聞けよ。

他のやつがそいつをどう思ってるかより、お前が気になるのはそいつが他のやつをどう思ってるかなんだろ?」

龍之介さんのことを何て思ってるかじゃなくて、

龍之介さんが奈美恵さんのことをどう思ってるのか…。

うん。そうだ。

私がうなずくと、

「自分の気持ち、伝えなくていいのか?」

竜はまた切なそうな顔でいった。

できるなら、今すぐにでも言いたい。

けど、まだ早いよ。

私、龍之介さんのこと全然知らない。


もっと知りたい。

もっと、近づきたいよ…。



それで、できることなら付き合いたい。

そんなの無謀なのは知ってるけど…

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