君の明日は、私の明日


とんとん…



「…愛美さん?入りますよ?」



そう言って入ってきたのは良奈だった。



良奈も詩織さんも私の命の恩人……


詩織さんは私を拾ってくれた…全く知らない私を…



私は…もう二度と…乃愛も、お母さんもお父さんも…千尋も悲しませたくないー……


だから、私はここで隠れ続ける…。



そのつもり…。



「ねえ、乃愛さんと…お話なさったんですよね?」




私は頷いたー……



「……愛美さんの妹なんですよ……どうでした?」


「……覚えてなかったわ……私の妹は…あなただけでいいのにー……」


「ダメですよ…愛美さん…少しずつでいいから…乃愛さん達と距離を縮めて行ってくださいね…」


私は頷いた…。



私は今の暮らしに満足しているー……



丁寧で礼儀正しくて優しい良奈と優しい詩織さん。



そして私はが恋をしたー……花咲昴…。



すべては…うまく行っていたはずなのにー……


私は昴が好きなはず…なのに





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