君の明日は、私の明日




「俺さ…お前が小さい頃…よくお母さんに怒られて泣いてんの見ててさー……もう泣かせたくねぇ…泣いてるとこなんて見たくねぇ…っておもってさ…守ってやろうって思ってて…そう思ってるうちに、お前のこと好きになってさー……」


そう言って深尋は私の頬に伝う涙を拭った。


暖かくて…優しい大きな手で…



「じゃあ…私今日はダメだねぇ……泣いてるとこ見せちゃって…」



私は涙を拭って必死に笑顔を作った。



「笑ってる方が可愛いー……」



そう言って深尋は私を抱きしめた。


暖かくてー……また涙が出そうになる。



「深尋も笑ってよね……」


「あぁ……」


身体が離れると深尋はまた悲しそうにこう言った。


「兄貴…アメリカのハーヴァードに留学すんだよ…」


留学……アメリカに…?!


そんな遠いとこに行くの⁉

会えないじゃん!



「待って…それって……!!」


「ああ、頑張って想いを届けろよ」


そう言って深尋はまた私の唇にキスを落としたー……


「これは……俺たちの関係を閉じ込めて…また仲のいい幼馴染になるための始まりのキスだ。」




そう言って深尋は図書室から出て行った……

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