はなおの縁～若葉編～

その壱 寄り合う心

ひとつ 中間考査の後で

彼と用意周到に準備をしてきた中間考査はひとまず無事に終わった。

手ごたえとしてはまずまずで、結果が期待できるかなあ、と考えていた。

毎度のことだけど、試験が終わると身も心もぐったりしてしまう。

それでも、今回の試験勉強はとても楽しかった。

理由は、、、、、。

ちゃんと、わかってる。


考査の結果は来週、担当の先生から渡されることになっている。

女学校は今週から試験休みに入った。

あの日、先週の土曜日。

神田町での出来事。

雷雨のなか、雨宿りをしていた時の思いもかけない告白を受けて、あたし自身も、自分の気持ちに気づいた。

鼻緒の縁、といったら照れくさいけれど、互いを見止めても近づくきっかけさえも持てずにいたあたし達は、あれがあってから急速に近づきだし、お互いを知ることとなった。

身の上話までするほどになって、おそらくあたしの心はあの人を許したのじゃあなかろうか。