桜雨、ふわり。
足がもつれそうになりながらも、走った。
真新しいスーツで、全速力で走るあたしは、きっとひどく滑稽だろう。
胸まで伸びた長い髪も、せっかく可愛くセットしても、そんなのすっかり乱れちゃって。
でも、それだってどうでもよかった。
行かなきゃいけない。
この煌めく桜並木を走りながら、風に願った。
はぁっ、はぁっ!
ついこの間卒業したばかりの高校。
迷いなく、あたしが向かったその先は。
あたしと、森崎くんが初めて会った
あの場所……。