僕のonly princess


だけど、一つだけ受け入れたこともある。


それは志望校に選んだ高校のこと。


本郷さんが現れるまでは、近くの公立高校を受験すると決めていた私だけど、本郷さんに清稜女学院への受験を勧められてそれを受け入れたのだ。


最初はお嬢様学校なんて私には不釣り合いだと思った。
けれど本郷さんから清稜は母の母校だと聞いて、気持ちが揺れた。
本郷さんの話では、当時は母の実家も裕福で母自身もお嬢様らしい生活をしていたらしい。
清稜での高校生活をとても楽しんでいたと聞いた。
本郷さんと出逢ったのも、母が高校生の頃だったそうだ。


母が楽しく過ごしていたという清稜がどんな学校なのか私も興味を持ったのだ。


でも清稜女学院は生粋のお嬢様学校。
当然学費も公立高校の比ではない。


それでも本郷さんに私さえよかったら、清稜に行ってほしいと強く勧められた。
学費は本郷さんが負担してくれると言われて、最初は本郷さんのお世話になるのを躊躇っていたけれど、園長先生にまで説得されて、結局私は清稜を受験することを決めた。


園長先生には、私が母の母校に興味を持っていることなんてお見通しだったのだろう。


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