僕のonly princess


「それって結婚の挨拶をする両家の顔合わせの時にする会話じゃないの?」


私の思っていたことを佐知子さんがさらっと口にした。


敢えて口にされるとますます恥ずかしくなって、顔が赤くなる。


「本当だな。いや、これは気が早かったですかな」


「ハハハ、そうですね」


なんていう父親同士の和やかな笑い声も私の羞恥心を煽る。


なのに私の隣に座る薫くんは恥ずかしがる様子もなく、徐に私の手を握ると涼しい声で当然のように言い放った。


「まだ先のことだけど、将来的にはそうなるんだから予行練習ってことでいいんじゃない?」


満面の笑みで繋いだ手を口元に寄せて、「ね?」と同意を求めてくる薫くんに私は耳まで赤くして思いっきり俯いた。


リビングに広がるみんなの温かな笑い声を俯いたまま聞きながら、私はこれ以上ないほどの幸福を体中で感じていた。



< 238 / 238 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

巡り愛

総文字数/185,670

恋愛(純愛)304ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
生まれ変わり 前世の記憶 そんな夢物語みたいなことを キミは信じるかな? でも。 僕の中にいるキミ。 僕の中にあるキミとの記憶。 そのすべては不思議だけど 全部本物だと確信出来るんだ。 だからね。 いつか必ず出逢うキミと どんなものも適わない恋をしよう。 いつか必ず・・・
sweet drops ファン限定SS集

総文字数/11,023

恋愛(純愛)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
~sweet drops~ ファン登録して下さっている方限定で 公開させて頂いております。 (別サイトでも同名で公開済み) ベリカさん(野いちごさん)で公開している作品のSSのみを こちらでも公開します。 2014.6.11ファンメールにてパス配信。 (定期的にパスはファンメールにて配信します。 変更は今のところなしです)
眼鏡越しの恋

総文字数/65,693

恋愛(学園)111ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『ホントのお前がものすごく綺麗だって 知ってるのは俺だけでいい』 『他のヤツの前でメガネ取るんじゃねぇぞ』 ********* 『私は美人なんかじゃない・・・不細工だ』 『・・・私なんかが・・・好きって言っていいの?』 ********** 美声なのに見かけが“残念”な 『放送室のマドンナ』 と 無口で無表情 興味あるのは水泳だけ クールなイケメン でも・・・・・本当は? “眼鏡越しの恋” 本当のキミは誰よりも綺麗だ。 他の女が霞むほど・・・

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop