王子様なDarling

あの事件は付き合って初めて迎える二人の夏休みだった。


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「ミーコ夏休み、どこ行きたい?色んなところ連れてってやるからな」


終業式が終わって、先輩と帰る道のり。


暑い日差しを目の前にしても、まだまだ帰りたくないの。


「んー」


「んー」


二人でクスリと笑いながら、行きたい場所を考える。


すると後ろから先輩のお友達集団が声をかけてきた。


「そこの天然バカップル達さんよ?」


ガシっと先輩の肩に手を置きながら、にこっと私にも笑顔をくれる。


外見は怖いけど、決しては悪い人たちじゃない
(っと先輩が教えてくれた)


「おー、お前らそんな集団でいて暑くないか?」


先輩がさらりと言う言葉にお友達はヒクヒクと顔を引きつらせる。


「つーか今ミーコと夏休みの計画中なの。じゃー」


いこっか?っと笑顔で言われ先輩が歩き出す。


とととっと先輩について行く私の後ろからは、とととっと足音がそろう。


「幹夫!夏休みの計画なら俺たちが提案してやる!」


「いーよ、いらない」


「ダメダメ!ミーコちゃんと二人きりで過ごそうたってそうはいかねーよ?」


え、先輩と二人きりで過ごしちゃいけないの!?


ガーン!っと顔にだすと、一人の人が“大丈夫だよ、冗談だから”っと教えてくれた。


「でもね、ミーコちゃん」


先輩とお友達が喋ってる間に、お友達の中の一人の先輩が気を使って声をかけてくれる。


「バーベキュー。行きたくない!?」


・・・バーベキュー。

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