甘く熱いキスで
でも、これが本当に運命なら……時間は関係ないとも思う。

ユリアの気持ちは確かにライナーに向かっていて、ライナーもユリアほどではないにしろ、少しずつユリアに近づいてくれている。それは、ライナーが感じている戸惑いも、ユリアが感じる不安も2人の距離が近づいている証拠ではないのか。

それは、都合のいい解釈でしかないのか。

いろいろなことがユリアの頭の中を駆け巡って、しかし、一番強く想うのは……やはりライナーのことなのだ。

ライナーは何も言わないままユリアの身体をそっと離し、それからまた近づいた。

重なる唇は、微かに温かくて安心する。少しでいい……今は、キスだけでも。

ユリアは唇を開いてライナーの舌を受け入れ、彼の熱をより近くに感じたくて自らも舌を差し出した。

ちゅっと微かに響くキスの音と絡む吐息の温度に身体を震わせて、ユリアはライナーに身を委ねる。

濃厚なキスの間、ライナーの指先はユリアの首筋をゆっくりと下がったり上がったりを繰り返した。ユリアもライナーの背に手を回して彼の身体を引き寄せようと必死になる。

やがて濡れた唇が離れると、ライナーとユリアは額を合わせて見つめ合った。

「……ライナー」

掠れた声は、ユリア自身が驚くほどに甘く響いた。

ライナーはまたゆっくりとユリアの首筋を撫で、鎖骨をなぞって……そのままユリアの胸の膨らみに触れた。ユリアの身体がビクッと跳ねる。それを宥めるような手つきで胸元から肩へ上がった手が腕を滑り、ユリアの右手を取って口元へと引き寄せた。
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