緒方くんとあたし。





「ところで、こんなとこで遊んでて受験勉強しなくていいのかよ?」

緒方くんがまた歩き出したのであたしも釣られて歩き始める。

「ああ、あたし推薦でもう受かってるから」

「どこ?」

「都立立山」

「何だ同じじゃん」

「は?」

立ち止まって緒方くんを見上げた。




「俺もそこ推薦で受かった」

真顔の緒方くんがあたしを見下ろしている。




< 51 / 77 >

この作品をシェア

pagetop