守られるより守りたい!

坂城君=…えっと……なんだ?



結局あの後お兄ちゃんは落ちついたからいいものの…。


坂城君とはなんぞや?という疑問は残ったまま。



坂城君。


それはいつかのあたしにとってのヒーロー。


弱虫だった自分を助けてくれて、どこかへ去ってしまったヒーロー。


思い出しても、まるで夢だったんじゃないか…、本当はいないんじゃないか…、そんな事を思わせる存在だった。


会えなくてよかった。


だって、会えないと思っていたから。


だって、もう最後にありがとうは言ったから。


だから会えなくていいんだ…。



とか思ってたら、やってきてしまった坂城君。


その坂城君はまるで別人。


命令口調の王様みたいで、反省とか全然しないタイプ。


だけど手先は器用で、でも感情は不器用で…。


結構優しいトコとか、可愛いトコとか、あったりして……。



そこでふと、気付いた。


そこでふと、気付いてしまった。



……あたし…



坂城君の事、結構嫌いじゃない。



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