守られるより守りたい!


「亜稀、どうする?あたし達、もう受験生だよ!」


学校までのいつもの道を歩きながら、ユカが嫌そうな顔をしてそう言った。


「そうだね、早いねぇ」


「もー、勉強どんだけしないといけないんだろーね。お姉ちゃん見てたらさ、すっごい大変そうだったんだよね!!」


「でもさ、安佳里さんは東高受かったんでしょ?大変そうでも、そう思えば頑張れると思うよ?」


安佳里《akari》さんは、ユカのお姉さん。


先月、無事に東高校に受かり、今高校一年生だ。


「えー、でもお姉ちゃんは元々頭はあたしより良いんだもん。そのお姉ちゃんがあんなにあんなに勉強して、やっと高校に入れたんだよ。あたしはきっと無理だよ!」


「それは東高が特別頭良いからだって!ユカにあうトコ探して、そこに入ろう!って頑張れば大丈夫だよ!あたしだって勉強しなきゃいけないんだから、一緒にやってもいいんだし」


「んー…、そうだね。頑張るしかないんだもんね…」


「そうだって。頑張ろ!」


「…うん!」



こんな話をしていると、自分たちはもう中学3年生なんだなぁって、自覚する。


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