明日晴れたら、




カーキ色のファー付きミリタリーコートに、思い切って膝丈の白いワンピを着て、黒のブーツを履いて急いで駅前に行くと、すぐに高嶋くんを見つけた。



キャメル色のダッフルコートに赤チェック柄のマフラー、黒のジーンズとブーツを履いている高嶋くん。


マフラーで口まで隠していた高嶋くんだけど、私に気づくと、人差し指で口の下まで下げて笑った。



「ごめんね遅くなって…!」

「良いよ、俺がいきなり思い立って誘ったんだし。行こ」


そう言って、高嶋くんは手を差し出してきた。




…え…、これって…手を繋ぐ、ってことだよね…?



物心ついた頃から男子と手を繋ぐなんてことはまったくしなかったから、ためらってしまう。





「…ほら、今日は人が多いし、はぐれたら大変だから」



高嶋くんは私の手を握ると、駅の中に私を引っ張っていった。





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