明日晴れたら、





「…あのさ、増川」


「…うん、なに?」


書く手を止めずに返事をする。





「……増川って、高嶋と付き合ってんのか?」

「へっ!?」


意外な質問に、ものすごいスピードで顔を上げる。



「なっ、なんで!? 付き合ってないよ!!」


首を強く横に振る。



「そっか。じゃあ……………な、大丈夫」

「え、塔田くん…?」



ひとり言をこぼす塔田くんに首を傾げる。



「なにが、大丈夫なの…?」

「ん? なんでもない!」


満面の笑みでかわされてしまった。




塔田くんは立ち上がると言った。



「南、あいつ、増川と話してると楽しいって言ってんだ!」


踵を返してドアに向かう塔田くん。





「じゃ、俺今からバイトだから、またな! …あ、今俺が話したこと、南には内緒な。あいつに口止めされてんだ!」



塔田くんはイタズラ顔で笑うと、颯爽と走っていった。





< 194 / 244 >

この作品をシェア

pagetop