明日晴れたら、
そんなことを思い返しているうちに、私の手は無意識に小石を拾って、舗装されているコンクリートの前にしゃがんだ。
もう10年も描いていない犬の絵を描いてみる。
……けど、
「…ふ、あははっ、なにこれっ…!」
その出来栄えは、我ながら変な絵。
小さい頃描いた犬のほうが、よっぽど犬だった。
「なんかこれ……キツネみたい」
自分でも笑ってしまうほどに、犬とは呼べない動物。
立ち上がって、もう一度その不恰好なキツネ犬を見て笑うと、家に向かって歩き出した。