僕は君の名前を呼ぶ


「母ちゃんが作る朝飯はまだ和食なんだな」


パジャマ姿のままバッチリ寝癖のついた頭をポリポリと掻きながら言ったのは兄の瑛斗(えいと)。


今年で20歳になる兄貴は、大学2年生。


一人暮らしをしながら大学に通っていて、長期休暇でもない変なタイミングでこうしてよく実家に帰ってくるのだ。


「ええ。でも海斗が卒業するまでかなあ。海斗、一人暮らしするんでしょ?」


俺に話を振られてしまった。


「え、まあ、うん。そうできるならそうしたいなとは思っているけど」


でも実際、一人暮らししたいと思っていたのは中学生の頃で。


大人に憧れてなんとなくしたいと考えていた。


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