好きにさせた責任とってくれる?

だるい……



今日学校に来たの間違いだったかな。



お母さんにも今日は休んで寝ていなさいとは言われたんだけど……



大丈夫と言って、学校へ来てしまった。



だって、桐生くんに会いたかったから。



ちらっと隣を見ると、授業が怠そうに寝ている桐生くん。



勉強はよくしているところを見るけど、授業中寝ていても成績がいいなんて……



そんな桐生くんを見ていると、うっすら思い出す昨日のこと。





***



目が覚めるとすっかり日も落ちて、部屋の中は真っ暗だった。




それだけで自分が長い時間眠っていたことがわかる。



あれ……桐生くんは?



部屋の中に人影はない。



代わりに、保健室の時と同じように額にはタオル。



そして、机の上にはまだ温かいお粥と、水と薬が置いてあった。



そこに添えられた小さなメモ。



線が入っているから、ノートの切れ端かなんかだろう。



そのメモには



“早く治せ   桐生”



と書かれていた。



素っ気ないメモ。



だけど優しさが伝わるメモ。



桐生くんらしいメッセージ。



これを見ただけで、自然と笑顔が溢れる。



笑顔というよりは、ニヤけてしまっているに近いかもしれないけど……

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