好きにさせた責任とってくれる?
生徒玄関から少し離れた図書館に着く。
ドアの隙間からちらっと見ると、机に向かう桐生くんが見えた。
「……見つけた」
私の予想は大正解だ。
よく回った、私の頭。
でも、桐生くんの様子が少しおかしくて……
何かを悩んでいるようにも見えた。
どうしたんだろう。
1日中話しかけにくかったのもあって、なかなか入りにくい。
もしかして噂のこと?
もし……悩んでることが好きな子のことだったら?
私はなんて声をかけたらいいんだろう。
そう考えると、ドアの前に立ち止まったまま、ドアを開けることも、ドアに手をかけることも出来なかった。