好きにさせた責任とってくれる?


「その、良い焼き加減っていうのがわからなくて…」



「んー、どれどれ?ってもう十分よ!これ以上焼いていたら焦げちゃう!」



そう言って、急いでオーブンを止めた沙耶ねぇは中からクッキーを取り出す。



その瞬間に香るほのかな甘いクッキーの香り。



美味しそう…!



もしこれ以上焼き続けていたら焦げちゃったんだよね。



ナイスタイミングどころか、このタイミングで沙耶ねぇが来てくれなかったら、失敗しちゃうところだった。



それよりもやっぱり気になるのは味。



沙耶ねぇが手伝ってくれたとはいえ、こんな私が作ったものだから、まだちょっぴり不安なんだ。



「恋羽、出来たて味見してみる?」



「うん、もちろん!」



沙耶ねぇから受け取って口に含むと、その瞬間に口の中に広がる甘味。



それも甘すぎない、ちょうどいい甘味なんだ。

< 217 / 300 >

この作品をシェア

pagetop