ねぇ、先生。

「それって、あたしとかシロとか?」

「…自意識過剰。」

フッと笑ってそう言ったけど、「まぁ間違ってねぇ」そうも言った。


「1年しか担当してない生徒と、3年も担当した生徒だったら、やっぱり後者の方が可愛いだろ」

「あはは、中村さんあたしとシロにえこひいきしてるの?」

「ちょっとだけ。」

ちょっとだけ、なんて言うから何だか笑えてきて、中村さんに呆れられるくらい声をあげて笑った。


「笑いすぎ。」

「あははっ、だって…っ……中村さんがえこひいきって…っ」

「お前ね、失礼だから。」

「んー…ふふっ、でも嬉しい」

中村さんの特別ってことだ。


「だから、お前じゃなきゃ篠原先生とのこと、見過ごしたりしなかったし。協力もしてねぇよ。」

「最初は協力しないって言ったのにね?」

「いつまでもグズグズしてっからだろ。むしろ感謝しろ。」

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