ねぇ、先生。

「あ、覚えてたんだ」

覚えてるよ。だってほんとに?ってずっと疑ってたから。

「強いよ、独占欲。多分茉央ちゃんが思ってるよりもずっと。」

「…ほんとに?先生あたしが誰と仲良くしてても何も言わないくせに」

言ってほしいわけじゃない。

ただほんとにそうなんだとしたら、あたしに何も言わないのは、あたしなら大丈夫だと思われてるからなんじゃないかって思ったの。


「だって俺先生だよ?」


もちろん、あたしのこと狙ってる人なんていないって分かってるけど。

先生が余裕すぎて、ちょっと不安。別にとられてもいいって思ってそうで、時々怖くなる。


「んなこと思ってても言えない。」

思ったことあるの?なんて聞けなかったのは、先生が少しムッとしてたから。

思い出すように考えた後、はぁ、とため息をついて頭をポンッと撫でる。


「…先生、好き」

ムッとしてる先生が可愛くて、思わず口から出た言葉。

なんで今?って聞かれてもあたしにもよく分からない。だって口からポロッと出ちゃったんだもん。

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