ねぇ、先生。

「こんな顔、俺以外の前でしないでね?」

「…したって誰も可愛いって思わないから大丈夫だよ。」

こんな顔見たって、先生以外誰も可愛いなんて思うはずがない。

まぁ、先生以外の人にこんなに照れたりしないと思うけど。


「それでも、ダメ。見れるのは俺だけでいいの。可愛いって思うのも俺だけでいい。だから、ね?」

ね?と言った先生は年上だって思えないくらい可愛くて。素直にコクンと頷くしかなかった。

それを見て先生は満足したようにふにゃんと笑って、掴んだままだった手首を解放してくれた。


「加地くんとフォークダンス頑張ってね」

「…うん、頑張る」

「回ってくるの楽しみにしてるから」

「…あたしも。」


元気がないとこうして励ましてくれて、大丈夫だと頭を撫でてくれる。

だから頑張ろうって思えるし、また改めて先生が好きだって思うんだよ。

…気持ちが大きくなるたびに、どうしてあたしは生徒で、先生は教師なのって思うのはあたしだけなのかな。
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