ねぇ、先生。
自ら作った距離


体育祭が終わって、ずっとモヤモヤしたまま本格的に受験生になった。

志望校も決まったし、そこに受かるために必要な教科も分かった。あとは勉強すればいいだけ。

それなのに、それだけに集中出来ないわけがあった。


「咲良、今日どうする?」

「シロはどうするの?」

「俺は勉強して帰ろうと思ってる。分かんねぇとこあんなら教えるけど、咲良もそうする?」

「じゃあそうしようかな。」

シロと同じ大学ってことで、最近は一緒に勉強することが増えた。たまに梨花も一緒に。

梨花はシロと同じ学科みたいで、2人で話してるとこもよく見る。


「加地は?どうする?」

「俺も勉強して帰る。」

加地くんも同じ大学らしい。彼も、シロと梨花と同じ学部。要するに学部が違うのはあたしだけ。

加地くんとはあれからまともに話してないし、話しかけられることもない。

それが逆に気になったりもするけど、あたしのモヤモヤの原因はそれじゃない。


視線を少しズラすと、いつもみたいに生徒に囲まれる先生の姿が見えた。

以前と変わらないその光景なのに、最近それを見るとどうしてもモヤモヤしてしまう。
< 307 / 451 >

この作品をシェア

pagetop