猫と乙女
ヒロは、そっと私の頬に手をあてた。頬に当たるいかついシルバーリングが、冷たい。それなのにみるみる頬が熱くなってゆく…。



「愛しても…いいか?」


「うん…」



悔しいけれど、目から涙がポロッと落ちた。細い指が、涙を拭ってくれる。そっと唇を重ねて、冷たい床の上で、体を重ねた。



「恵里佳が、悪い」



首筋や耳朶を愛撫しながら、ヒロが呟いた。



「…どうして?」



「今日は…オレを誘うような香りを纏っているから…」



(おしまい)


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