無愛想な彼が私を見ない理由
けど、岡野さんにも怖くないって言われたし…。
だったら切るか、いっそ。
「明日、切ってくる」
『早いなぁ~。いいと思うよ』
………いつ以来だろう。
前髪を切ろうとか思ったのは。
なんでだ?岡野さんに怖くないって言われたから?
…………分かんないな。
「じゃあ、俺……帰るな」
『うん、またねっ』
早瀬に礼をして、図書室を出た。
空はすっかりオレンジ色で、
学校には部活以外の生徒はほとんどいなかった。