無愛想な彼が私を見ない理由



目を合わせたまま何か、話していく。

……珍しいな、岡野さんが目をそらさないなんて。


……俺がそらしたいんだけど…。


『え、どうして………』


「別に図書室の帰りに寄っただけだけど」


これも別に嘘じゃない。

……まぁ、偶然じゃなくて意図的に…だけど。


「岡野さんは?」


『あ、私は日直の仕事を…してて』


岡野さんのその言葉を聞いてなんとなく思い出す。

……初めて話したときも、日直してたよね?


日直、多いな…なんか。

岡野さんって、運でも悪いのかな……。






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