無愛想な彼が私を見ない理由
彼は私から目をそらしていた。
え、え!?
頑張って呼んだのに、なんでそらすの!?
「あの……、佐倉くん?」
そろーりと佐倉くんの顔を覗く。
『………見ないでくれる?』
チラッと私を見た佐倉くんの表情は若干赤くなってて、
少しだけ照れてるようだった。
「佐倉くんが照れてる……」
こっちまで照れが移るよ……。
『見んなって言ってんじゃん』
「ふぇぅっ?!」
佐倉くんは少し不機嫌そうな顔をして、
私のあごを軽く指で上げた。