姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
姫の隣
旅行から帰って数日が過ぎ、長いようで短かった夏休みが終わり、2学期が始まった。

龍馬と大吾はツアーが終わり、静養も兼ね、しばらくはスケジュールが緩くなっていた為、毎日に様に咲に会える大吾はかなり機嫌が良かった

賢次と潤也とりんは、偶然にも同じドラマの出演が決まったようで・・・

それも・・・ヤンキー系らしく・・りんと潤也は少し明るめの茶色に染め直しただけだが、賢次は・・・銀髪になっていた

もともと、真っ黒な髪の賢次が銀色になんて染めた衝撃はかなりのものだった。

幼馴染の姫花に至っては、開いた口が塞がらない状態で、固まっていた。

それでも、やっぱり、賢次に似合っていたことは言うまでもない。

1学期は、両親の用意した車での登下校だった姫花だが、2学期からは、ガクか日向の運転する車で通う事になった

登校初日は、姫花は教室の前で足がすくんだ

そう、教室に入ればアミがいるからだ

咲にそっと背中を押され1歩、教室に入ったがそこにアミの姿はなかった

HRが始まる時間になってもアミは登校してこなかった

ほっとしたのと同時に、1学期に一度も遅刻などしなかったのに、何かあったのだろうか・・と気にもなった

そんな時

「あ~杉田の事だけど・・」と担任からアミの話が出た

「杉田は今学期から芸能科に移ったから、そのど真ん中の席が空くからな~ めんどくせぇから後ろからひとつつめて座るようにな~」

担任のそんな報告にクラス中が驚き、姫花は眉を寄せ、咲はそんな姫花を心配そうにそっと見ていた

なぜアミが急に芸能科へうつったのか、姫花には検討もつかなかったが、やはり今まで通りにアミに接していく自信はなく、正直ほっとした。

普通科は、2学期初日は、始業式とHRがあったが、芸能科には始業式はなく、HRのみだったのだが、日向は姫花が終わるのを普通科の昇降口で待っていた。

バイオリニストなので、他の芸能科の生徒に比べ、認知はされていないが、生まれもってなのか、人を惹きつける要素がある日向は、かなり目立っていた。





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