姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
学園祭までの1週間は、アッという間に過ぎ、明日を本番に控え、校内中が浮き足立っていた

「本当にコレ三人で準備したのかよ?」と驚いているのは龍馬

そう、本番前日にして、潤也・賢次・りん・龍馬・大吾・ガクの6人は初めて自分達の出店する店に足を踏み入れた

「そうだよ! すっごくいいでしょ?」と自慢気な姫花

温かみのある北欧家具と観葉植物に囲まれ、教室お決まりの蛍光灯は取り外され、暖色系のライトに付け替えられていた

そして、アロマキャンドルからは嫌味のない香りが漂い、本当にリラックスできる空間に仕上がっていた

「それなりに掛けるモンはかけたよ?」と日向は笑った

「私達が出すんだもん、ダサい店なんてありえない!!」とりんの目は真剣

「って・・お前のプライドで出すわけじゃねぇんだぞ!」とガクはりんの頭に手を乗せた

「は~い・・・」心なしかりんの声が小さくなる

「で、コレなんだけど、二日間のタイムスケジュールだから、各自目を通しておいて」

と日向は手際よく、A4の用紙を配った

「日向・・コレ何?」とガク

「左がこのカフェ・右がそれぞれのクラスでの出番 みんなそれぞれ、クラスでも何かどうか役割があるから、そっちを優先してこっちの店番の予定を組んだから・・」

という日向はわざわざ全員のクラスに掛け合い、みんなの時間調整をしていたのだった

「日向さん、なんか・・スゴイッすね」と大吾は感心しっぱなしの様子

「・・・ヒナ・・これ、どういう事?」姫花は自分に組まれた予定の意味を理解出来ないでいた

二日目は、わかる・・揚げたこ焼きやさんは、開場後2時間、姫花は客寄せとして呼び込みをするのを承知していたから・・問題は一日目

「ヒナ・・うちのクラスの一日目の出し物に・・私出ないよ?」

そう、姫花のスケジュールには、一日目のファッションショーの出番もきちんと載せられていたのだ


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