姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
日向のリサイタルに現れたのは、壱と彼女のブレンダだった

「姫、久しぶり」と姫花にHUGをし、両方の頬に「チュ・チュ」と音をたてキスをするブレンダは真っ赤なカクテルドレスがとっても似合っていて、壱という完璧なエスコートが側にいるのに、周囲からの視線を集めまくっていた

姫花も満面の笑みだ

「神路日向を落とすなんて、流石だな」

と壱はブレンダの抱擁から開放された姫花を微笑みながら見下ろした

「落としたなんて・・どっちかっていうと私が落ちたんだとおもうけど?」と顔を真っ赤にする姫花

「私も驚いたわ・・ 姫花に相応しいステキな男性なんでしょ? 公演後にお会いできるかしら?」

「もちろん! 打ち上げがあるから、是非来て! 後、今夜のチケット、本当はいい席を用意したかったんだけど、P・Aのしかなくて、ごめんね」と姫花は顔の前で手を合わせる

「そんな事ないよ? P・Aの方が、落ち着いて聴けるからありがたいよ」と壱

やっぱり、一般客の中に混ざっても目立つ壱とブレンダだから、関係者しかいないエリアの方がリラックスできていいのだ

「そう言ってもらえるて良かった・・ じゃあ、こっちだから」と姫花は二人の前を歩き、【関係者以外立ち入り禁止】の扉を開く・・

途中でスレ違う警備の人や、スタッフも姫花の存在を認識しているのか、皆、一様に姫花に笑顔を向けていた

P・Aには本当に関係者ばかりで、潤也、賢次、ガクがすでに座って、ボーイから給仕を受けていた

「壱! 遅いよ」

と壱を見つけ、シャンパンに口をつけていた潤也が背もたれから身を起こした

本来なら、ボーイがいるはずもなく、ましてやシャンパンなどありえないのだが、気のまわる日向が特別にP・Aにバーカウンターを設置していたのだ

「年末は道が混んでるんだよ・・・」と壱は潤也の隣に腰を落とした

壱に続いて、その隣にブレンダも座って、そのソファの座り心地のよさに驚いた


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