姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】

☆大変身☆

「おはよう! 咲ちゃん☆ よく眠れた?」

「あ! 姫花ちゃん!! うん! キャサリンさんに教えてもらったようにメイクしてきたんだけど、おかしくない?」

「全然! 超かわいいよ! 食べちゃいたいくらい!!」と姫花は咲をギューっと抱きしめた

校門から昇降口までの数十メートルの間で、何人の生徒がこの二人を振り返り見たことだろう・・

「おっはよ~」とすごい勢いで近づいてきたのは大吾と潤也

「あ! おっはよ!」

咲をみて固まる二人

「え? あ? 」戸惑う咲

「ふたりとも、何? 鼻の下伸びすぎだって!」と二人の後頭部を叩く姫花

「え? あ? ちょ・・ 咲ちゃん?」と顔が真っ赤になる大吾

「う・・うん」俯いてしまう咲

そんな二人を見て、「潤也は私と先にいこっか?」と潤也が答える間もなく、腕をからませ、その場から引き離した

「あ・・歩きながら話す?」

「うん・・・ あの・・週末にね、姫ちゃんとキャサリンさんのとこに行ってきたの」

「あ、キャサリン!? あぁ・・キャサリンかあ・・ なるほど・・」

「へ・・変かな?」

「全然!! マジやばい!! ぶっちゃけ、今すぐ拉致ってどこかに隠して、誰の目にも触れさせないようにしたい」

「は?」

「いや、ジョーダンだって・・」

大吾と咲は昇降口までの短い距離を一緒に歩いた。

周囲からは、文句のつけようのない程の美男・美女カップルで、近寄りがたいオーラをかもし出していた。

二人より、先に行った潤也と姫花もそんなふたりをそっと見ていた

姫花の話を聞いて、潤也も納得していた。

「で? 今日の撮影って? お前まだ二回目だろ? なんの撮影なんだよ?」

「今日は、学校のパンフレット! 常備用じゃなくって、来年の新入生獲得の為のパンフらしいよ」

「ふーん・・ どこで撮んの?」

「確か・・・Nスタジオ」

「何時から?」

「よくわかんないけど、学校を11時に出るよ」

「ふーん・・」

「なんで?」

「いや・・・まっ、頑張れよ! じゃあな」と足早に潤也は芸能科の校舎へ走っていった

「なんだ?」姫花が首をかしげながら潤也の姿を見送っているところへ、大吾と別れた咲が来た






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