姫☆組 (姫シリーズVol.1) 【完】
浦島太郎
【潤也】


なが~い写真集の撮影から帰ってきた

学校にはかれこれ1ヶ月は行ってない

昨日までいたのは、どっかの孤島・・ 携帯の電波も届かない楽園

荷物をマネージャーに預け、空港から学校まで向かった

私服だけど、べつにいいだろ?

学校につくと授業中なのか、校内は静まりかえっていた

芸能科の校舎を素通りし、そのまま普通科の校舎へ歩く

1年C組・・・ 姫の教室

壁に寄りかかり、終業のベルを待つ

キーンコーンカーンコーン♪

ベルと共にいっせいに開かれる各教室のドア

と、同時に俺を見る視線、そして悲鳴・・・・

それを無視し、C組のドアの前に立つ

姫花を探すと、クラスメイトに囲まれ、なにやら楽しそうに喋っている

は? なんだあれ? クラスに馴染みすぎてねぇか?

ドアの前で突っ立っている俺に気づいた奴が姫花に話しかけた

そして、姫花が俺に気がついて、目の前までやってきた

「潤~ ひっさしぶり♪ っていうかお疲れ♪」

あ~姫だ~

思わず抱きしめてしまう

「ちょっと・・ 潤也! 何してんのよ!」と思いっきり突き飛ばされ、頭をはたかれた

「イって~」 痛くないくせにわざと痛いフリをしてみる

「ったく! 私をあんたの周りにたかる虫と一緒にしないでくれる?」

昔から、姫花は俺に寄ってくる女共を『虫』呼ばわりする。

っていうか、俺から抱きつくなんて、世界でいや、宇宙でお前だけなんだけど・・・


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