大好きな君の。







「あー!もう思い出せないなあ!」
「危ない!!」













 そんな声が聞こえた。




 ふと、横を見ると白い光が私を照らす。




 キーッと耳を痛くするほど高い音が私が聞こえる。







 何もかも、失ったあの瞬間。

 あの時と同じ、白い光が私を包む。







 私、ここで死ぬのかな……。






 そう思うと今までの思い出が走馬灯のように流れる。





 楽しかった思い出。悲しかった思い出。寂しい思い出。



 お母さん、お父さんっ……。











 動け、動け。



 思うように動かない身体がもどかしい。


 左腕が酷く痛んだ。







 手をぐーぱーしようと試みる。



 が、動かない。









 だけど、予想していたよりも、そんな痛くなくて。



 その代わり身体が酷く重く感じた。









 早く避けないと、二次災害になってしまう。









「きゃーっ!!」












 歩道の方から、甲高い声が聞こえる。

 起き上がりたいけど、力が入らなくって。




 ふっと、そこで意識が途絶えた。





< 18 / 124 >

この作品をシェア

pagetop